蛇狩場に常駐する毎日。
MPRec28%タージ盾とEXP+20%杖を使ってひたすらEnergy Strikeを撃っていると、こういう質問をされることがある。
「おまえは盾チートツールを使ってるのか?」と。
ご存知ない方のために説明すると、盾チートツールというのはメイジのために作られたインチキツールで、魔法を発動するときだけ自動的に盾の装備を外して発動後に再装備してくれるという、ちょっといじましい代物だ。私は実際にこのツールを使っている人を見たことはないが、まぁたしかにMPRec70%ぐらいのタワーシールドでこれを使ったら強いだろうなぁとは思う。
見たことがないのだから当然私自身が使っているわけもなく、したがって私は先述の問いに対して「no」と答える以外にない。すると彼らは「どうやってるんだ?」と言うのである。どうやら彼らの目には私のやっていることがチート行為に見えるらしく、やたらとしつこく訊いてくる者も多い。私のやっていることは全然たいしたことではないのだが、説明するのが(英語だとさらに)面倒なので仕方なく「自分で考えろ」と答えることにしている。
ところが今日のことだ。日本人に同様の質問をされ、しかもこの説明が日本語でも面倒だったことが判明したため、以後は「これを読め」と言うことにして以下にそのやり方を説明する。
◆ 擬似盾チートツールのやりかた
1 盾を装備する。
2 F2に盾装備のショートカットを登録する。
3 魔法を詠唱する。
4 F5で装備画面を出す。
5 盾をダブルクリックして装備解除する。
6 魔法を発動する。
7 F2を押す。
これだけである。
素早くやると、傍目には魔法を発動する瞬間しか盾が外れていないように見える(らしい)。注意点は「3 魔法を詠唱」の部分で、おそらくバグだと思うのだが盾の種類によってこれができるものとできないものが存在するのである。一度ためしてみて「魔法使いたけりゃ両手をあけろやゴルァ」というメッセージが出たらその盾は相性が悪いということなので素直にあきらめたほうがいい。
また、F5で出せる装備画面は常時出しっぱなしにしておいて盾だけが見えるぐらいに隠しておくと良い。さらに魔法詠唱中に盾を外して詠唱完了と同時に魔法発動、即座に盾再装備というのが見た目にも美しく完璧だ。
──と書いていて思ったのだが、ひょっとしてこんな面倒なことしてるの私だけ?
Liqueurという名前のせいか、よくフランス人と間違えられる。ひどいヤツになると最初からこちらをフランス人だと決め付けてきてフランス語で話しかけてくる。意味がわからず無視していると、いきなりイエー斬りだ。街中ならまだしも、ロッキーの入り口とかでそういうことするのはヤメてくれ。死ぬから。
本日遭遇したフランス人もまた変人だった。
私が倉庫内で錬金に精を出していたときのことだ。いきなり「r u french」と話しかけてくる戦士がいた。とりあえず「no」とだけ返しておいて錬金に戻る私。すると、彼は言うのだった。
「really? I think u r french」
いや、あんたがどう思おうと関係ないし。
仕方なく(錬金の退屈しのぎに)私は自分が日本人であることを説明してやった。
「wow」
彼はそう言って驚き、次に「I like sushi & tempura」とワケのわからないことを言い始めたのだった。──いや別に言ってること自体は全然ワケわからなくはない(というより非常にわかりやすい)のだが。いきなり「寿司と天ぷらが好きです」と言われてもなぁ。しかもヘルブレスの中で。こういうとき、正しい日本人の行動としては「me too」と言っておくべきなのだろうか。それとも、他に名案があるだろうか。
たとえば「I hate sushi」と返してみるのはどうか。相手が「why」と言ったら「My father killed by sushi master」などと説明してみるのである。ついでに「5years ago」とか付けておくと、リアリティが増すかもしれない。ていうかsushi masterって何だよ。
あるいは「sushi is japanese soul food! Not french!」と叫びつつ斬りかかってみるというのも面白いかもしれない。いや、まさにそれこそがヘルブレスの世界において正しい行動だと言えよう。
──だが、実際に私が答えたのは「me too」という無難かつ紋切り型の典型的日本人型回答なのであった。まぁ面倒くさかったというのが一番の理由なのだが。
私の答えを聞いて彼はおおいに喜んだらしく、「I like tuna & salmon」「What's u like」と訊いてくるのであった。なにゆえ、ヘルブレスの中で好きな寿司ネタの話をしなけりゃならんのか。だいたい、そんなことを聞いてどうしようというのだ、このフランス人は。
とはいうものの、ここまで話に付き合ってしまったら仕方ない。私は「I like kohada」と答え、しかし次の瞬間にはこの答えを後悔していたのであった。──そう、次のフランス戦士の当然の質問は「What's kohada」というものだ。「kohada is young konoshiro」と説明して通じるだろうか。通じるわけがない。
しかし、フランス戦士はなかなかの寿司通だった。「I like kohada too」と言い、おまけに「and uni,kazunoko」といくつものネタを並べ始めたのだった。私は思わず「great」と口走ってしまった。
すると彼は次にとんでもないことを言い出したのであった。
「create new guild with me. name is SUSHI LOVERS」
やっぱりヘンだよ、こいつ。
私は、すでに自分がギルドに入っていることを説明し、残念ながらそのギルドには入れないのだと説明した。が、彼はしつこかった。今のギルドを抜けて自分と一緒にSUSHI LOVERSを作ろうと言うのだ。無茶苦茶な要求である。
私が断り続けていると、ようやく彼もあきらめたのか「ic」と言いながらダッシュイエーお辞儀を私に向けて連発し、「もし今のギルドを抜けたら教えてくれ」というようなことを告げるとそのまま倉庫を出て──行かずに、こう言ったのであった。
「food plz」
最初からそれが目的かい!
レベル98になった。
INTは125。ということで、さっそくLightning Strikeを買って……こようとしたらカネないよ! しかも20000Gも足りないし。あぁ、かえすがえすも100000G落としたのが痛い……。アレスのバカヤロー!
吼えていても問題は解消しないので、とりあえず全体チャットで「selling ZEM & green pot」と言ってみる。が、そんなすぐに売れるわけもなくオファーはなし。そりゃそうだ。
他に手っ取り早くカネを稼ぐ方法は……と考えてみるも、旅行者稼ぎぐらいしか思いつかず。20000G稼ぐには旅行者4人ほど作らなければだめかと少々憂鬱な気分になりつつ、作業準備を済ませてCreate new character。
スライームジェリーを集めているという事情から、ずっとビギナーゾーンに引きこもりスライムいじめ。疲れる。REP+7のアジルレイピアとかほしいなぁ……。
そんなわけで特に面白いネタもないので今日の日記は終わり。
あぁ、そうそう。
Lightning Strikeって使えないね。
初めて彼と出会ったのはエルバイン市街の蛇ピットだった。そのとき彼は真っ白なシャツに短パン姿で20匹ほどの蛇に囲まれながら「any mage shoot me」と叫んでいた。私がそんな彼に向かってEnergy Strikeを放ってやったのは親切からでも同情からでもなく、ただ単に経験値がほしかったという、それだけの理由からに過ぎなかった。
しかし、恐らく瀕死だったのであろう彼にとって私の行動は親切な手助け以外のものには映らなかった。彼は「thanks」「thanks」と繰り返しながら私の周りをうろうろし、「take it」と言って青ポーションを足元に置いたのであった。
いまどき珍しく律儀な人もいたものだと思いながら、私はその小さい青ポーションを受け取ることにした。これが、私と彼の間で取り交わされた最初の取り引きとなった。
その後一時間ほど、私と彼は蛇ピットで狩りを続けた。彼のレベルは60程度だろうか、ウッドシールドに片手斧を持って、黙々と蛇を倒し続けていた。私もまた言葉を発さずEnergy Strikeを撃ちながら錬金のための蛇パーツを拾い集めつつ──そのようにして更に一時間ほどが経った。
話しかけてきたのは、彼のほうからだった。
「u wanna snake's parts?」
私はyesと答えた。すると彼は言った。
「sell it」
私はいくらで売ってくれるのかと訊ねた。正直なところあまり錬金材料に金をかけたくはなかったのだが、今の材料不足ではそうも言っていられないというのが実情だった。
「peace」
彼は取り引きになれているようだった。すぐに平和モードにするよう要求し、私がそれに応じるとサンプルとして蛇の舌をExchangeウインドウ上に提示したのであった。そして「70」と言う。
悪くない値段だった。相場では100Gは下らない。私は彼の持っている蛇の舌をすべて買い取ることに決め、その旨を告げた。「I wanna buy all snake's parts」と。彼は「ok,thanks」と言い、続けて「70」と繰り返した。
まさかと思いながらも、私はもう一度「あなたの持っている蛇パーツを全部買おう」と言ってみた。が、彼は「I see」と言いながら「70」と連呼するだけだった。まるで「70」しか覚えていない九官鳥のように。ここに至って、私は気付いた。──そう、彼はたった一つだけの蛇の舌を売ろうとしていたのである。ライトエスフランでもなく、ZEMでもなく、たった一つの蛇の舌を!
私は驚愕すると同時に、わずかばかりの同情心を彼に抱いた。改めて見れば、彼の身なりは色もついていない真っ白なシャツと短パン、おまけに裸足だ。武器はライトアックスだし、盾は木製ではないか。一体どれほどの赤貧が彼の生活にのしかかっているのか、私には想像もできなかった。
しかし、だからといって彼に金品をめぐんでやるのは私の流儀ではなかった。だいいち、私とて決して裕福ではないのだ。(100000G落としたしな!)。私はとりあえずその一個だけの蛇の舌を買い取り、他に錬金材料を持っていないかと訊ねてみることにした。
「I have a lot of parts」
彼はそう言って、次々に錬金材料とその取引価格を提示していった。そのどれもが相場にのっとった適正価格だった。問題は取り引き個数が極端に少ないことであった。スライームジェリー3個を45Gで買い取ったときなど、私の胸には一抹のむなしささえ去来したほどであった。
だが彼は喜んでいた。「thanks」「thanks」と、今度は新しい言葉を覚えた代わりに古い言葉を忘れてしまった九官鳥と化し、何度も頭を下げたあとに「u wanna more parts?」と訊いてきたのであった。少しだけ迷ったすえに私は「of course」と答えた。「おまえとの取り引きは数が少なすぎてやってられん」と言えるほどの残酷さと英語力は私の中にはなかった。
彼は「hehe」と笑うと「I'm poor」という言わずもがなの告白をし、再び蛇狩りへと戻っていったのであった。──このときまだ私は彼の名前を覚えていなかった。まさか後日再会しようとは夢にも思わなかったのである。
続く
彼と再会したのは、エルバイン北倉庫でのことだった。そのときの彼の姿と彼の発していた言葉を私はこれから先、一生涯忘れることはないだろう。彼はそのとき倉庫の中央あたりに立ち、前回同様の白シャツに白短パンという格好で、こう言っていたのだ。
「selling my pretty shirt」
そう、彼は自分の着ているシャツまでをも売ろうとしていたのだ。店で買ってもわずか20Gのシャツ(しかも白!)を。果たして、人はどれだけ金に困れば自分の着ている服を売り払おうと考えることができるのか。ある種の人間にとっては死にも匹敵し得る人としての尊厳の失墜。彼は、それをたったの10Gたらずの金で受け入れようというのだ。
私は、しかしすぐにこれが外人特有のあまり面白くないジョークであることに気付いた。──否、気付いたと思い込むことにした。そうしなければ、私は彼に対して手持ちの500Gほどの金を与えてしまいそうだったのだ。
私は、そっとその場を立ち去ることに決めた。彼とて、たった一度会ったきりの相手を覚えてなどいるまい。私は静かに彼の横をすり抜け、外へ通じるドアへと向かうことにした。そのときだ。
「hi Liq」
彼は名指しで私を呼び止めたのだった。そう、彼は私の名を覚えていた。忘れてなどいなかったのだ。このとき、私は彼の名を覚えていなかったことを恥じた。相手の名を覚えることなど、人として最低限の礼儀だ。私は反省し、彼の名を覚えることにした。彼の名はChell(仮名)といった。
あれから沢山の錬金材料を手に入れたからぜひ買い取ってほしいと、Chellは言った。私は快くそれに応じ、彼の要求する金額に異を唱えることなく次から次へと商品を買い取っていった。相変わらず数は少なかったが、金額は妥当だった。
このちまちました取り引きを2分ほどで終えると、彼は「thanks」「thanks」と繰り返し、何か足りない材料はあるかと訊ねてきた。全部たりないと言いたいところだったが、私はあえてその中からスライームジェリーを選び、それが足りないのだと告げることにした。すると彼は「ok. I'll hunt slime」と言うや否や倉庫を飛び出していったのである。私は少しだけ申し訳ない気分になった。
次にChellの姿を見たのは市街地の雑貨屋近くだった。彼はそのとき数人のエルバイン人に追われ、「hahaha. It's fun」と言いながら逃げ回っていた。──そう、彼は犯罪者になっていたのである。
スライムを狩りに行ったはずの彼がなぜ犯罪者になってしまったのか。それは私の想像の範疇を超えていた。彼はまっすぐに私の方へと走ってきた。もしここで私がMass Chill Windを撃ち込めば、彼は確実に死ぬだろう。そして、それはゲームのルール的にまったく問題ないどころか、むしろ推奨されている行動なのであった。
一瞬の葛藤が私の次の動作を止めた。しかし、すぐに私は意を決した。素早く魔法選択ウインドウを開き、Mass Chill Windを詠唱するとただちにそれを発動させた。凍結魔法の対象となったのは、Chellではなく彼を追う戦士たちだった。機動力を半減された戦士たちを尻目に逃げ去る犯罪者Chell──のはずだった。
だが、彼の次の行動は私の予想だにしないことだったのだ。彼は一直線に私の隣まで駆け寄ると「thanks Liq」と言い、次に「selling slime」と言ったかと思うと私に対して「peace」と要求してきたのだ。私は狼狽した。このゲームを始めて以来、これほど慌てたことはなかったかもしれない。まさか、犯罪者が街中で、しかも戦士に追われている最中に、スライームジェリーを売ろうとは!
慌てながらも私は即座にF3キーを押し、登録されているInvisibilityをChellにかけた。あと一瞬遅ければ、彼は追ってきた戦士たちにBOXされていたに違いない。だが、とにかくも彼はインビジに成功した。このまま雑貨屋か倉庫に逃げ込めば──と思った刹那。追ってきた戦士の一人が剣を杖に持ち替えたかと思うと、Detect Invisibility! その直後に、どこからか飛んでくるEnergy Strike!
「ぐぇぇ」
私にできるのは、彼の落としたスライームジェリー20個を拾ってやることだけだった。彼の最後の言葉は「aaaahhh. I selling it」というものだった。
私は、これをたったの300Gで買い取ってもいいのだろうか。
世の中に不条理なできごとは数あれど、ヘルブレスの「湧き」ほどの不条理は他にないと言っていいだろう。「湧き」はいつでもどこでも、誰の前にでも発生する。そのキャラのレベルや装備、戦士であるかメイジであるかなど一切おかまいなしに「湧く」。農場で、ガーデンで、ミドルランドで、我々はあらゆるモンスターが「湧く」のを見てきた。あるときはゴーレムが湧き、あるときは花が湧き、またあるときはウサギが湧いた。逃げる者、果敢に立ち向かう者、ここぞとばかりにEnergy Strikeを撃ち込む者、さまざまな者たちがいた。「湧き」は確かにヘルブレスの魅力の一つたりえるものだった。サイコロ湧きで死ぬ戦士、カエル湧きで死ぬメイジ、アレス湧きで死ぬエルバ人。そのどれもが凄絶で痛快な光景であった。
「湧き」は決して望まれるものではない。だが望まれぬものでもない。「湧き」がなければ我々は経験値の獲得手段を失い、退屈な狩りはますます退屈なものとなるだろう。スケルトンが湧いてBOXされたレベル120オーバーのメイジでさえ、このことを否定はするまい。そう、メイジこそが「湧き」を歓迎し「湧き」を憎悪するのだ。「湧き」によって得られた莫大な経験値を、次の「湧き」によって失うのだ。
「湧き」は誰の手によってもコントロールされることはない。電子の流れとICチップの熱によって、それは決定され遂行される。電子と二進数を司る神の手によって1ダースの花が湧き、2ダースのサイコロが湧くのである。そこに、我々プレイヤーの干渉できる余地はない。神の気まぐれともいえる采配によってのみ、我々は経験値を与えられ、レアアイテムを与えられ、そして死を与えられるのである。PFMが切れた瞬間の花湧き、D3に突入した瞬間のオーガ湧き、いずれもが電子の流れとそれを支配する神の悪戯によるものなのだ。
我々にできるのは、ただただ湧いたモンスターを狩り尽くすことだけだ。あるいは、湧いたモンスターに狩り尽くされることだけだ。祈りを捧げるべき神は無慈悲で強大だ。我々は祈りの手を止めて呪文のルーンを描き、十字架を取る代わりに剣を取らねばならない。我々が無力でないことを、かの神に思い知らせるのだ。
そう、我々は無力ではないのだ。決して、決して……。たとえデーモンとの戦闘中に2ダースのヘルハウンドが湧こうとも……。
レベル99になった。
どうも単独行動が好きなのか、集団レイドに参加したもののいつのまにか一人になっているということが多い。たぶん、グダグダとくだらない会話をするのが嫌いなのだと思う。しゃべってるヒマがあったら一人でも多くのアレス人を殺せと思ってしまうのだ。
今日もまた、気がつくと一人だった。同時に突入したはずの多くのエルバ人たちは知らぬ間にどこかへと消えてしまい(私が消えたのだが)なぜか私はアレス市街の蠍ピットで孤軍奮闘していた。
ここへ来るたびに、私はなぜアレスデンの蠍ピットはこんなにも広いのだろうと憤懣やるかたない気分になる。エルバインの蠍ピットと比較して、ゆうに二倍の面積はある。湧いてくる蠍の数も豊富だ。ここではエルバインの蠍ピットのように、たった一匹の蠍にEnergy StrikeとIce Strikeが各2発ずつ飛んでくるような光景は見られない。戦士もメイジも、皆余裕をもって蠍を倒している。私はこのアレスデン蠍ピットを見るたびに、こう思うのだ。──こいつら全員死ね、と。
私が蠍ピットを襲撃するときの手順はだいたい以下のようなものだ。
まず最初に、蠍ピットから少し離れた場所にサイクロプスを召還する。最低2体、できれば5体が望ましいがそれは時間の浪費なので、2体か3体でいい。/holdコマンドでその場を動かないようにしておいてから全てのサイコロにPFMとBerserk、それにInvisibilityをかけ、自分自身にはPFMとGreat Defense Shieldをかけ、最後にインビジする。もちろん、サイコロを隠した座標は覚えておく。最後に肉を食べておいて、準備は終了だ。
襲撃はサイコロを伏せた反対側からおこなう。つまり、サイコロと自分で蠍ピットを挟む形にする。アレス人、特に戦士からは少々距離を置く位置に立ち、できるだけ多くの敵を巻き込む位置にMass Chill Windを落とす。さらに、視界に入る限りのすべての敵にマスチルをかける。この時点で敵はエルバインの襲撃を受けたことに気付き、それぞれ逃走したり反撃を試みたりする。それに対する攻撃優先順位は、逃げるメイジ>逃げる戦士>反撃してくる戦士>反撃してくるメイジ、だ。とくにこちらの初弾で逃げ出すようなメイジは明らかに低レベルなのでEnergy Strike1発で死んだりする。
メイジでのレイドの場合、最も気を払わねばならないのが戦士の攻撃だ。これをいかにさばいてこちらの魔法を当てていくかが最大の問題となる。私の場合、反撃してくる戦士にはEarth Worm Strikeで弾き飛ばすようにしている。だが、もちろんこの程度の攻撃で逃げ出すような戦士はいない。そういうレベルの戦士は最初から逃げるものだ。だから、ここでは敵のスタミナを減らすことを主眼とする。
3発ほど魔法を撃つと、マスチルの効果も切れているはずだ。自分は戦士に囲まれる寸前で、敵メイジはよほど間抜けなのを除いて全員PFMをかけ終えている。とりあえず戦士に対してMass Chill Windをかけなおしておいて、逃げ出す素振りを見せる。逃げる方向は、もちろん先ほどサイコロを置いた方向だ。
追ってくる戦士がサイコロの座標に近付いたら、できるだけひきつけておいて/freeコマンドを入力。するとインビジしていたサイコロが動き出して敵を攻撃し始める。PFMをかけて杖や短剣で殴りにきたようなメイジはザークサイコロの攻撃で即死だ。こういう事態に慣れていない戦士はすぐに逃げ出すので、その戦士を狙ってEarth Worm Strike。サイコロと戦い始める勇敢な戦士に対しては、サイコロごとEarth Worm Strike。
その後は状況に応じて臨機応変に。サイコロを引き連れて再度蠍ピットに戻ったり、インビジして回復をはかったり。青ポーションがぶ飲みしてサモンしながら蠍ピットの占拠を狙うのも面白い。
全体を通じて注意するのは、強敵(羽兜以上のPFM戦士やブリザードメイジ)を見たらおとなしく逃げるということである。根本的に、ブリザードを使えないメイジでは高レベルの戦士を一人で殺すことはできない。
そんな襲撃の結果の収穫品。
セイバー*2
クレイモア
フランベルグ
ウォーアクス
クリティカルショートソード DD+5 EXP+20
マジックスタッフ(MS10)
タワーシールド
スケールメール
ストーンオブサクリファイス1/3
蛇の皮*14
その他、シャツ、ポーションなど。
一番うれしいのが蛇の皮だったり。