2002/11/18(月)
倉庫に引きこもって錬金。テレビを見ながら錬金。ひたすら錬金。
そのうち、やけに人が少ないことに気がついた。なにかイベントでもあるのかと思いメッセージ(チャット)ログに目を走らせてみると、どうも今日更新されたパッチファイルに不具合があった模様。海外の情報サイトによれば、このパッチを当ててしまうとログインできないのだという。これはチャーンス!
こんなときに行くべき場所は決まっている。町の蠍ピットかミドルランドの骨ピットだ。とりあえず雑貨屋で青ポーションを買い込み、蠍ピットへと走る。すると! なんとそこには十数匹の蠍様が!
ウマー(゜д゜)
↓
Energy Strike連射
↓
旅行者に命中
↓
マズー(´д`)
気を取り直して、再び蠍ピットへ。すると! なんとそこには十人近くものメイジ様が! 飛び交うEnergy Strike、Ice Strike。蠍の死体を漁る戦士たち。まったくいつもと変わりない光景が、そこには繰り広げられているのであった。どうやら、さっき見たのは幻だったらしい。仕方なくML骨ピットへと向かう私。
骨ピット無人
↓
ウマー(゜д゜)
↓
Energy Strike連射
↓
インビジアレス戦士登場
↓
ジャイアンイエー
↓
マズー(´д`)
結論:蛇ピットが一番。
2002/11/19(火)
レベル102になった。
本日、一般人モードが導入された。市庁舎へ行くと誰にでも選択できるもので、この一般人になると「犯罪者以外のプレイヤーに攻撃することができず、かつ攻撃をくらわない」状態になる。
ということはつまり、このモードにしておけばメイジが犯罪者になることはありえないというわけだ。おまけに戦士が殴っているモンスターを横取りするのも簡単である。一般人マンセー。
……じゃなくて。
これは一体なんだろうか。レベル上げしているプレイヤーを攻撃してはいけませんよ、ということなのだろうか。殺し合いをしたい人は殺し合いをしたい人同士で遊んでください、ということだろうか。
今までにも何度か疑問に思うような変更はあったが、今回の変更はゲームのシステムを根幹から作り変えてしまうものである。しかも、良い方向にではなく悪い方向にだ。対人戦を売りにしているゲームで対人戦を否定するかのような、この変更。運営側は何を考えているのかと言いたい。
もちろん、現在韓国でオンラインゲームの年齢制限が問題になっていることは知っている。PK可能なリネージュが15禁に指定されてしまったのも有名な事実だ。ヘルブレスは今のところ槍玉にあげられてはいないが、もし年齢制限が課せられるとしたら18禁は免れないだろう。だが! それでもなお! 今までのPKシステムを続けてほしかったものである。……だいたい、インターナショナル版で年齢制限など課したところで韓国以外のプレイヤーには影響ないのではないかと思うのだが。まったく理解しがたい。
そもそも私はPをKするために、このゲームをやっているのだ。それも、戦意旺盛なPではなくむしろ戦意のまったくない無害なPこそをKしたいのである。そう、私がKしたいのはジャイアントソード片手に迫ってくる角兜戦士ではなく、Energy Boltでスライムを狩っているメイジなのだ。そうだ、私は蠍ピットの端でCreate FoodしているPをKしたいのである。道端で友人同士他愛ない会話をしているPどもにMass Ice Strikeを撃ち込みたいのである。
だが、それらはもはや遠い日の想い出……。
ヘルブレスよ、今までありがとう。
いや、やめるわけじゃないけども。
2002/11/20(水)
プロミスランドへ行ってみた。
ここでは、一つの大きな規制がある。それは「全てのプレイヤーは他のプレイヤーに対して攻撃できない」というものだ。ということはつまり、ここにいればメイジが犯罪者になることはありえないというわけだ。おまけに戦士が殴っているモンスターを横取りするのも簡単である。プロミスランドマンセー。
……というコピペで行数を稼ぐのはやめといて。これは一体どういうことだろうか。エルバイン人とアレスデン人は仲良くしないといけませんよ、ということなのだろうか。醜い争いをするのはやめましょう、ということだろうか。
ふざけるなと言いたい。私はアレス人を殺すためだけにこのゲームをやっているのだ。レベルを上げるのもレアアイテムを集めるのも錬金スキルを上げるのも、すべてはその一点のためだけにおこなわれている作業なのである。
にもかかわらず、ここプロミスランドではアレス人とエルバ人が仲良く(?)モンスター狩りをしているのだ。何故。何故、私がアレス人のような劣等人種どもと共闘しなければならんのか。なにゆえに、あのような豚にも劣る下衆どもと同じ敵を叩かなければいけないのか。
やりきれない怒りが私の中に充満し、気がつくと私はSummon Creatureの魔法を詠唱しているのだった。場所は、アレス側オークピット。その外縁で私はサイクロプスを3体、等間隔で配置し、その全てにBerserkとInvisibilityをかけて/holdした。そう、プレイヤーはプレイヤーを攻撃することはできないがサモンしたモンスターは別なのだ。私は唯一残された正義を遂行するため、オークピット中央に突入した。そして、さらにサイコロを召喚、ザーク&PFM。/freeを入力。
サイコロの電撃をくらって、あわてて逃げ出すアレスの低レベル戦士たち。もちろん、Mass Chill Windで凍結させることは忘れない。散り散りになって逃げた彼らの前には、インビジしたサイコロがお出迎え。たちまち二人のアレス人が死んだ。ざまぁみろである。しかも、そのうちの一人が落としたのは4000Gほどの現金ではないか。青ポ代ありがとうである。
哀れなアレス人は死体のまま「カネを返してくれ! 俺はまだレベル30なんだ!」などとマヌケなことを言っていたが、そんなもの返すわけがない。私は金を返す代わりに彼の死体の上にFire Fieldを放ってやった。彼からは「fuCkin mage」という言葉。ありがとう。私はこの言葉を聞くためにヘルブレスをやっているのだ。
その後も、弱そうなアレスの豚どもを見つけ次第、サモン&ザーク。皆油断しているのか単にレベルが低いのか、あるいはその両方なのか、とにかく簡単に死ぬ。しかもこちらには何のリスクもなしである。これは非常に愉快なことだ。
そんなわけで、しばらくプロミスランドにこもることにする。
いや、決して骨ピットでレベル上げしたりするわけじゃありませんよ。えぇ、まったく、はい。まぁちょっとぐらい上げるかもしれませんが。
2002/11/21(木)
プロミスランドで骨狩り&オーク狩り。
今までの苦労が馬鹿馬鹿しくなるぐらいの早さでEXPが溜まる。
青ポ40個購入→骨ピットで青がぶ飲みES乱射→骨片回収→手ぶらでオークピット→オーク肉&歯回収→倉庫に戻る→透明薬作成→ショップで売却→青ポ購入
5時間ほどでEXP200000ゲット。レベルが103に。
そんな作業を繰り返している中、一人のアレス人が現れた。キャップをかぶったメイジで、私同様青ポを飲みまくっているのかマナが尽きる気配もなく黙々とESを撃ち続けている。かなりウザイ。
こいつがいなければ格段に効率アップだ。ここはザークサイコロ作戦発動か……と考えていると、いきなり「こんにちは」と声をかけられた。出鼻をくじかれながらも、とりあえず無視する私。基本的にアレス人とは口をきかないことにしているのだ。すると、彼はこう言ったのであった。
「日記の人ですよね」
「え」
「いつも読んでます」
「それはアリガトウゴザイマス」
なぜカタカナなのか、私よ。
「うちのギルドの人たちも結構読んでますよ」
「ははぁ」
「この前のメタルの話が最高でした」
「それはどうも」
応答に困る私。なぜだっ、なぜ私はアレス人とこんな会話をしているのだっ!
「更新がんばってください」
「えぇ、はい。がんばります」
「そうだ、錬金材料集めてるんですよね」
「はい」
「骨片が20個ぐらいあるんですが、差し上げましょうか」
「いただきます」
もらうなよ、オレ。
その後しばらく、アレスメイジと仲良く日常会話などしながらES乱射祭りin骨ピット。何かが間違っているような気もしつつ……。
私信:骨片ありがとうございました。MLで会ったときには殺します。
2002/11/22(金)
今日あったこと
■ レベルが104になった。
早すぎ。
つーかPL骨ピットうますぎ。
■ 錬金スキルが51%になった。
年内に60%を目標。
透明試薬ほしい人、遠慮なくどうぞ。
アレス人にはあげません。
■ 素手激闘スキルが30%になった。
蟻までなら殺せます。
何の役に立つのかは不明。
■ ガーゴイルに殺された。
色々と戦士の皆様に言いたいことはありますが。
とりあえず真上から殴るのはやめましょう。
■ アレス人を攻撃したら笑われた。
街の中で攻撃が当たらなくなっている模様。
しかも向こうの攻撃は当たる。
フザケンナ。
■ アレスデン市街でコネロスした。
おまけに再接続できなかった。
■ 牛丼を食べた。
ねぎだくで。
ヘルブレスとはあまり関係ないかもしれない。
2002/11/23(土)
一瞬の過ちが取り返しのつかない未来を呼び寄せてしまうってことがある。
ほんのわずかの不注意、そして不運。避け得た暗黒の未来はしかし既に僕の周囲をとりまいて、世界を絶望の色に染めてゆこうとしている。──嗚呼、もしもたった数瞬前の世界に立ち戻ることができたなら。僕はこのちょっと前までは未来でしかなかった現実を変えることができるのだというのに。
君は、もう帰ってはこない。
僕は無力だ。僕にできるのはこの愚かしい頭を卑小な腕で抱えながら、ただただ後悔することだけだ。たった一度の過ち、過失を。そう、僕はこれから先ずっと、この後悔を抱いて生きていくんだ。それが僕に与えられた罪の贖いだから。
君は覚えているかい? 初めて僕と君が出会ったときのことを。君が、初めて僕の手に触れたときのことを。──こんな遠い過去のことを、もうここにいない君へ問いかけるのは僕が愚かなゆえだ。けれど、僕は君を失ってすぐに君との最初の出会いのことを思い出したんだ。
あれは、雨の降る夜のことだった。君は一人の男に連れられて僕の前にその姿を見せてくれたんだ。そのときの僕の心の動揺を、君は知っていただろうか。一目ぼれっていう言葉がある。君との最初の出会いが、まさにそれだった。それまでの僕の人生において、君との出会いほど素晴らしいものはなかった。君は美しく聡明だった。たった一つの出会いが、僕の人生を変えたんだ。
僕は君を手に入れたくて必死になった。幸いなことに──これは僕にとって幸いってことだけれど──君を連れてきた男はとても話のわかる青年だった。僕が胸中の想いを吐露すると、彼は君を僕に譲ってくれたんだ。もちろん、いくらかの金品と引き換えにね。彼はそういう商売で生計を立てている人間だった。君にとってこれはいい想い出じゃないかもしれない。けれど、僕は彼に感謝している。君との出会いを作ってくれた彼にね。
でも、君を失った今、僕は正直なところを述べよう。僕は彼との出会いが──いや君との出会いがなければ良かったかもしれないと、そう思い始めている。なぜって? それは、もう僕が君なしでは生きていけないからだ。君のいない世界はあまりに暗く、僕は僕の進んでゆくべき道さえ見出せない。世界がこれほどに暗く寒かったなんて。君との生活で、僕は弱い人間になってしまったのだろうか。
ああ、もう一度この手に君を取り戻すことができたなら。二度と失わないと誓えるのに。君のために命を捨てることさえできるのに。──けれど、その誓いが僕の口から発せられることはない。何故なら、もう君は帰ってこないから。決して。
これから先の、あまり長くはないかもしれない人生を僕はどう生きていくべきなのか。君の代わりになる何かを、僕は見つけ出すことができるんだろうか。この、暗い影の落ちる冷たい大地で。──神よ。願わくば、哀れみを。
要約:間違えてEXP+20の杖を店に売っちまった。
2002/11/24(日)
メイジをやっていて「food plz」と言われたことのない人はいないと思うが、「poison plz」と言われたことのあるメイジは少ないのではなかろうか。
もちろんPoisonを同国人にかけることで警備兵を呼び出せることを知っている人にとって、これは日常的なやりとりだ。しかし、たいていのメイジは警備兵が必要かどうか自分で判断し、必要だと思えば頼まれなくても手近の同国人にPoisonするものである。
だが、今私の目の前にいる戦士は違うのだった。彼はプロミスランドで「Poison plz」と言っているのである。当然のことながら、プロミスランドでは警備兵など呼び出せない。(確かめたことはないが出るわけがない)。
私は彼に訊ねた。なぜPoisonをかけてほしいのかと。彼の答えは、農場に戻りたいというものだった。なるほど、目的は理解できた。わからないのは、なぜリコールスクロールを持っていないのかという点だった。魔法を使えない戦士にとって、それは必需品のはずだ。
私は、この当然の疑問を彼に問いかけた。すると、彼はこう答えたのだ。
「I hate all magic」
つまり魔法が嫌いだからリコールスクロールを持っていないというのだ。素晴らしい信念である。そしてバカである。私は言ってやった。
「Poison is magic too」
これに対して彼は「np」と言い、自分で使うのでなければいいのだと答えた。また随分と中途半端な信念もあったものだが、まぁ合点は行った。私はCloud Killを彼の前に出してやった。彼は「u r great mage」などと言いながら、いそいそと毒霧の中に入ってゆく。そして毒霧の湯につかりながら伝統の一言。「food plz」
ここまで付き合ってしまったら仕方ないとあきらめ、Create Foodしてやる私。「tq」と言いながら肉とパンを拾う彼──。おまえ本当は魔法好きなんちゃうんかと、できるものなら関西弁でツッコミを入れたかったのであった。